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外は、暗闇に包まれていて明かりと言えば月明かりぐらいである








銀色の元親の髪は、月明かりをあびて輝いている







「アニキ、もう夜中ですよ。そろそろ寝た方が…」








「いや、俺はまだここいるわ。お前らはさきに寝ていいぜ。」








視線だけ向けて、元親は答えた









「で、でもよぉ…アニキが起きてるなら俺らも…」







「いいから寝ろ、あ、後よ。ちょくちょく来てる女中にも伝えておいてくれ」







元親は「ほら、早く行け」と言うように手を動かした








「…分かりやした。そんじゃアニキも早く寝てくださいね」








少し間を開けて、しぶしぶ了解をすると、立ち上がって暗闇に消えていった









元親は、それを確認すると月を見た








儚げに光を放つ月は、どこか目を閉じたままの彼女にどこか似ていて、自然に繋いでいる手に力が入る










「はやく…起きてくれよ。はやく…声聞かせてくれよ…。はやく…」








お前の笑顔見せてくれよ…









元親は、握っている白く小さな手を大事そうに見つめて呟く。


そして、その手を顔の前まで持ち上げ、瞳を閉じた








「…この、ばかやろう。あいつらを助けてもお前が起きなきゃ意味ねぇんだよ…」








切なげに顔を歪め、弱く呟いた。











儚げな月に似た
君の手が


(どうしようもなく、切なくて愛しかった)











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