第441話〜第460話

454. てるぞう夫婦珍道中《松本》パートB

その日の夜、私たちは駅の近くの、酒場へ行った。
なんとなく雰囲気が、我々の行きつけの焼き鳥屋に似ていた。
10年以上かよってる、焼き鳥屋のママは、いつも 自分で、割り箸入れを作っている。

【画像1】

我々のように古い常連は、ママが大変なのを知ってるので、割り箸を抜いた後、ママに割り箸入れを、返している。
皆、当たり前のようにやっている。

今 入った店で、店員が割り箸を渡してくれた。
私とN子は、話に夢中になっていた。
店員から無意識に、割り箸を受け取り、ほぼ同時に割り箸の入っていた袋を、店員に返そうとした。
店員は、言葉が出ず、ボーッとしていた。
2人共、顔を見合わせて、思わず吹き出した。
N子が「ごめーん!何でもない…気にしないで…(^_^;)」と、店員に言った。
店員は、訳の分からない顔をしていた。

(アチャー…長年のクセって、いつ出るか分かんねーなぁ…あの店員…こんな袋もらっても、嬉しくねーよなぁ…ハハハ!(~_~;))

【画像2】

そのあと、店員がテーブルの端に置かれた、コンロの説明をしてくれた。

【画像3】

「へー、コレでシシャモとか、焼いて食べるのか⁈ ( ・∇・)」と言いながら、私がコンロを触っていると、「あなた!ダメよ!ヤケドしちゃうわよ!
Σ(・□・;)」と、N子が叫んだ。

(えっ?…ヤケドって…火…着けてねーし!(~_~;))

私は、ツマミを2品と、生ビールを頼んだ。
N子は、トンカツ定食をたのんだ。
目の前に置かれた定食を見て、N子が不思議そうな顔をしていた。
その時、私も気が付いた。
なんと、ご飯のどんぶりが、二つも置かれていた のだ。

【画像4】

「わー!すごーい!サービスいいねー!(^○^)」と
N子が、ニコニコしながら言った。
ちょうど横を通った、女性店員がそれを見て、
「あっ!ごめんなさい!(゚д゚lll)」と言って、
走って行った。
そしてまた、走って戻ってきた。
「すいませんでした…(⌒-⌒; )」と言いながら、
ご飯をひとつ取って、そこにツマミの小鉢を置いていった。

【画像5】

「えーっ?サービスじゃないのぉ⁈ …ケチねぇ!(・・;)」とN子が、残念そうに言った。

(いや…オマエ…サービスって…最初からご飯…
二つ…持ってくる訳ねーじゃん!(~_~;))

(パートCに続く)

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