第1話〜第20話

3.アブないK君《イイもの》

我が職場の隣の事務所の、K君の話だ。
K君は30代後半の、男性だ。
ゴツい体の坊主頭!
だが童顔で、かわいい顔をしてる。
しかし時々、ビクッとする事をする。

ある日の午後、私が学校の周りのゴミを、拾いに
行こうとしたら、K君が外周の見回りに行くと言うので、いっしょに行く事にした。
しばらく歩くと、K君が突然言った。
「先輩!アソコに、イイモノが落ちてますよ!
(・□・;)」と、指をさした。
「イイモノ…ったって、所詮ゴミだろ! (´-ω-`)」と
私が言うと、K君は「いや!あれはイイモノです。見れば分かります。(°▽°)」と、目が輝いている。
そのイイモノに、どんどん近づいて行くK君の後を、私はついて行った。

【画像1】

近づくにつれ、それが何か、私にも分かった。

(千円札だ!コイツ…よくあんな遠くから、分かったなぁ…(゜o゜;)

K君は、その千円札を拾おうとした。
その瞬間、K君の動きが止まった。

(ぶっ‼ハハハ!オモチャかよ!(^O^))

千円札はよく出来た、玩具紙幣だった。

【画像2】

悔しがるK君は「先輩!これはこのままに、しときましょう。また誰かが、引っかかるかも知れないから。(^_-)」

(コイツ……性格 悪っ‼ (+_+))

そして午後になってから、またK君といっしょに、外回りをした。
さっき、玩具紙幣が落ちてた所で、K君が言った。
「無いですね。誰かか拾ったんですね。後で気が付いて、悔しがったでしょうね。(^_-)」
しばらく歩くと、K君が叫んだ。
「先輩!あれ!あれはホンモノでしょう!2回も、ニセモノがある訳無い!( ̄O ̄;)」

K君が指差した所を見ると、また千円札が落ちて いた。
近寄ったK君の動きが、止まった。
「うっ!…マジかよ〜!またかよ!(ーー;)」

見ると、また玩具紙幣だった。
この辺は風が強いから、さっきのヤツが、ここに 飛ばされてきたのだろう。

(ぶっ! 2回も引っかかるヤツは、珍しい!だからあの時、回収しときゃ良かったんだよ!(^_^;))

私はそのゴミを、回収した。
その時 K君は、沈黙していた。

(しかし…これ…『さきほどの千円』って、書いて ある…笑えるなぁ…クククッ!( ̄∀ ̄))

【画像3】


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