快楽兎の書

崩壊 弐
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「坂本殿…お久しぶりでござるな」
珍しく快援隊の船に万斉がやって来て坂本は笑みを浮かべた。
「万斉君から遊びに来るとは珍しいのぅ、なにか用事がか?」
「あぁ、用事…まぁそんなとこでござるかな」
万斉は三味線から仕込み刀を抜いて坂本に向けた。
「なんの冗談かのぅ、万斉くん。」
万斉に刃を向けられても動じない坂本。
「冗談ではござらん。主を殺しにやって来たでござるよ。主が殺ったのだろう?また子殿を…」
万斉が静かに告げると坂本は黒い笑みを浮かべる。

「ワシは、自分の大事なものをぬけぬけとられて笑っとるほどお人好しではないきに、万斉君をとったから殺したぜよ」
なにも悪びれる素振りもなく坂本は事実を言った。


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